コラム
ヘリポート業界の動向、知識などの情報を記事にしています。
2025.04.02
本当にあった失敗ヘリポートの実例 その2
今回も、前回に引き続き国内で実際にあった残念なヘリポートの事例を紹介していきます。
ヘリポートから階段を使って患者搬送
D病院は屋上の着陸帯(場外離着陸場)からICUへのルートに階段があります。ドクターヘリで運ばれてきた重篤な傷病者を載せた担架を職員が4人がかりで持ち、階下へ運んでいます。着陸帯からICUのルートに階段がある病院も多く見受けられます。
階段を使った搬送は、患者にとって大変な負担
飛行ルートを何度も変更
E病院の着陸帯(非公共用ヘリポート)の進入ルート下に新しくビルが建設されることになりました。そのビルが完成すれば進入表面から突出し、飛行障害となります。そのためE病院では飛行ルートを変更することにしました。変更にあたり、再度、公聴会を開き、大変な手間となりました。最初に飛行ルートを決めるとき、近隣の用途地域を確認して「このルートなら将来的にも大丈夫」というものを選定しなかったために起こった残念なミスです。
新しいビルが建つとルート変更の必要が生じることも
搬送ルートに凸凹が
F病院では地上の着陸帯(場外離着陸場)からERまでは搬送車で輸送するという想定でヘリポートの設計が始まりました。私は航空コンサルタントとしてコンサルティングを行い、仕事も順調に進みましたが、着工前に現地に入って大きな問題を指摘することになります。搬送車が走るルートに、病院敷地内を走る車がスピードを出し過ぎないようにするカマボコ状の突起物を配置した凸凹(段差舗装)があるのです。ドクターヘリで運ばれてきた重篤な傷病者が着陸帯からERまで搬送される間に3回もこの凸凹を越えなければならないことを指摘し、撤去してもらいました。
搬送ルートに凸凹がないか確認を
救急車(搬送車)が渋滞
G病院では立体駐車場の上に着陸帯(場外離着陸場)を設置しました。着陸帯からERまでは搬送車で移動します。ところが駐車場内で渋滞するのです。駐車スペースに停めようとする車が何度も切り返しをするのを待たなければなりません。そこでドクターヘリが飛来してくる時には一般車が駐車場に入ることを制限したのですが、こちらでも渋滞が起きてしまいました。立体駐車場の屋上階にある着陸帯は、できれば渡り廊下で病院棟と繋ぐべきです。それが無理であれば、専用エレベータで患者を地上階へ降ろせるように設計するべきです。
迅速に患者を搬送するルートの確保を