コラム
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「新・ヘリポートの造り方」
基礎知識
2024.12.25
「新・ヘリポートの造り方」屋上ヘリポートにアルミデッキを薦めるワケ その1
残念ながら具体的な数量は把握できていないのですが、欧米のヘリポート関連会社に聞きますと「近年、目立ってアルミデッキヘリポートの受注が増えてきた」と言います。
私が初めてアルミデッキヘリポートの上に立ったのは1999年の夏、ロサンゼルスにある病院の屋上でした。
私にヘリポートを案内しながら、病院長は「このヘリポートを造ってもう20年になるが、一度もメンテナンスにカネをかけたことがない。色褪せてきたのでそろそろ一度、塗装の塗り替えをしようかと思っているところだ。ヘリポートはアルミが最適だよ」と、そんなことを誇らしげに語ってくれました。
私はその時に「そうか、確かにアルミデッキは衝撃に強いし何といっても軽い。これほどヘリポートに適した床面構造はないな」と直感しました。もちろん当時の日本にはアルミデッキヘリポートなどありませんでした。日本に1ヵ所もないアルミデッキヘリポートを、アメリカという国は20年も前から造っていたのだ、と感心したことを昨日のことのように覚えています。
本書でも解説してきましたが、ヘリポートは大きな衝撃荷重が繰り返しかかるものなのです。私は大学でコンクリート工学を勉強しましたが、コンクリートの「重たい」「雨に弱い」「衝撃に弱い」「施工ムラができる」という弱点をアルミデッキならすべて解決できるわけです。これほどヘリポートに適した素材はありません。
多くの病院や官庁の担当者が、コンクリートヘリポートを造った後で「ああ、やっぱりアルミデッキヘリポートにしておけばよかった」と後悔しています。
次のコラムでは、なぜアルミデッキヘリポートが良いのかを、8つのポイントを挙げてもう一度詳しく説明しておきます。