エアロファシリティー株式会社

コラム

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「新・ヘリポートの造り方」

基礎知識

2024.11.27

「新・ヘリポートの造り方」進入表面、転移表面とは


ヘリコプターは垂直に離着陸できる乗り物ですが、実際の運用では垂直離着陸はほとんど行いません。垂直離着陸はエンジンに過大な負荷がかかることが多いため、通常はヘリコプターも飛行機と同じように斜めに降下しながら進入して着陸し、斜めに離陸していきます。

 


進入表面・転移表面図(場外離着陸場)

 

したがって進入・離陸方向に障害物があっては危険です。進入・離陸方向の障害物が制限される区域を「進入表面」と言います。着陸帯の端部から基本的に1/8勾配の面です。この進入表面から突出するモノがある場合は着陸を許可されません。
また進入表面に対して直角方向を「転移表面」と呼びます。転移表面は基本的には1/1勾配の面です。この転移表面からも突出するモノがあると離着陸できません。
進入表面と転移表面の基本的な考え方を上図で示しました。実際には様々な要素が入ることが多いのでヘリポート設計時には専門の航空コンサルタントに確認をお願いするべきです。

進入表面の起点

では進入表面の1/8勾配はどこを起点の高さとして設計すれば良いのでしょうか? 明文化された規則は見当たりません。ただ、これまで当社が「運輸省」から受けた指導では「進入ルートのセンターラインと着陸帯白線の交差する点の高さ」を基本とするように、とのことです。「進入ルートのセンターラインと着陸帯白線の交差する点」というのは「進入側の白線の中点」ということになります。


切妻(妻側からの着陸)状の着陸帯

 


切妻(平側からの着陸)状の着陸帯

 


すり鉢状の着陸帯

 

「新・ヘリポートの造り方」

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