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「新・ヘリポートの造り方」

基礎知識

2024.11.06

「新・ヘリポートの造り方」建物解体時まで見据えた設計を


随分先の話になるのでしょうが、数十年後にビルを解体するときのことまで想像しておきましょう。屋上に重たく強固なコンクリートの塊があれば解体工事は楽ではありません。

 

 

屋上ヘリポートにはコンクリート製よりもアルミデッキをお勧めする理由の一つがここにあります。アルミデッキヘリポートはクレーンと工具(ラチェット)で簡単に解体できますし、アルミはスクラップに出しても数百万円で引き取ってもらえます。解体コストおよび産廃コストのかかるコンクリートに比べると大きな違いが出てきます。

 

 

ライフサイクルコストを考えるとアルミデッキヘリポートがお得

 

「コンクリートヘリポートに比べてアルミヘリポートは高い。アルミの方が良いのは理解しているが、できるだけ安く造りたいんだよ」という声を設計会社の方から聞くことがあります。「じゃあコンクリートとアルミ、双方で設計してみてください。アルミは軽いから構造部材を小さくすることが可能ですよ。施工も簡単で工期も短縮できます。不陸(平らでなく凸凹)もできませんから水溜まりの心配がないのです。付帯設備の設置費用を合算すれば工事にかかる費用はほとんど同じになりますよ」と私は伝えます。

 

何人かの設計士が実際に計算してくれました。「本当ですね。アルミだから高い、というわけではないですね」と理解してくれました。コンクリートの劣化に伴う補修工事や解体時のエンドコストなどを含めたライフサイクルコストはアルミデッキヘリポートの方が安くなると思われます。エンドコストを考慮した場合、コンクリートは建物解体時に細かく砕いて産廃処理しなくてはならないため、解体費、輸送費、産廃費がかかります。一方、アルミはクレーンとラチェットで容易に解体が可能な上、スクラップにしたアルミは高額で引き取ってもらえます。

 

もったいないのが「コンクリートヘリポートで設計をはじめたのに、構造設計が終わった段階でより軽いアルミヘリポートに変更する」ことです。これでは安く済むはずの構造部材(主に鉄骨材)の費用が多くかかってしまいます。最初から「ヘリポートはアルミで」と決めて設計を始めることをお勧めします。

 

「新・ヘリポートの造り方」

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