エアロファシリティー株式会社

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「新・ヘリポートの造り方」

基礎知識

2024.10.30

「新・ヘリポートの造り方」床面強度と機体重量 -具体例で解説-


「曲げ応力」と「パンチングシャー応力」の考え方を具体例で解説します。
全備重量が10t、スキッド幅(※下表参照)が 2.5m の機体を例に「曲げ応力」と「パンチングシャー応力」の説明をします。

 

曲げ応力は全備重量の 3.25 倍をスキッド幅の 2 点で等分に受けるのですから1点あたりには「10t 重× 3.25 ÷ 2」の16.25t 重がかかることになります。
つまり「着陸帯上の 2.5 m離れた任意の2点で、16.25t 重を受けられること」の確認が必要になります。

 

一方、パンチングシャー応力は全備重量の 3.25 倍を 645cm2で受けるのですから、この例では 32.5t 重を 645cm2(1辺 25.4cmの正方形)で受けることになります。このパンチ力が床面のどこにかかっても割れないことの確認が必要なのです。前にも説明しましたが、32.5t 重/ 645cm2を約分して50.4kg重/cm2などとすることはできません。パンチングシャー応力と圧縮応力は異なります。あくまで 32.5t 重/ 645cm2に耐えうることが必要なのです。

 

材料力学や構造力学に詳しくない方がこの「全備重量の 3.25 倍が645cm2にかかる」という言葉を理解できずに、曲げ応力の計算でも「ヘリコプターが着陸する際には全備重量の 3.25 倍が1点にかかる」と勘違いして指導することがときどきあります。しかし、梁のピッチが影響する「曲げ」や「たわみ」の構造計算は「全備重量の 3.25 倍を2点で等分」でいいのです。パンチングシャーの応力計算には梁のピッチは関係なく床面の材質や厚みが問題になるのです。

 

※スキッド(脚)間の距離をℓとしたとき着陸帯のスラブは「ℓ幅の任意の2点」で「最大離陸重量× 3.25 / 2」に耐える設計にしなければなりません。

 

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