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基礎知識

2024.08.08

「答えは防災ヘリポート」② 津波対策だけではなく洪水対策も必要


「津波対策」で海岸沿いに堤防を築くことに比べれば「洪水対策」で河川の堤防を高く頑丈にする方がはるかに簡単に思えることでしょう。気候変動の激しい昨今、「津波対策はともかく、洪水対策は急げ!」との声が多く聞かれます。ところがこれも簡単ではないのです。津波対策の堤防は海に近い陸地に作るのですから工法はそれほど難しくはありません。
一方、河川の護岸を高く強固にするのは大変です。堤内(民家側)には用地がほとんどありません。護岸工事は堤外(河川側)から行うことになりますが、基礎工事を行っているときに大雨が来て洪水になるとかえって危険を招くことになりかねません。また、予想される被害の大きさに対してあまりにも工費が嵩むことも洪水対策が進まない大きな要因の一つです。
私は国土交通省が推し進めている江戸川スーパー堤防(東京都江戸川区)には大賛成です。予想される被災者が数百万人なのですから、少々カネと時間をかけてでも『防災』を目指すべきだと考えています。一方、人口の少ない地域で莫大な予算と時間をかけた護岸改修工事はなかなか難しいのではないでしょうか。工事の実現性によって『防災』か『減災』かを分けて考えるべきでしょう。

 

護岸工事のほとんどは堤外から行われ、工費も嵩む

 

小冊子『答えは防災ヘリポート 著:木下幹巳』より抜粋

 

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