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基礎知識
2024.03.04
曲げ応力とパンチングシャー応力の考え方
曲げ応力を計算するときは「最大離陸重量の3.25倍をスキッド幅の2点で等分」したのですが、パンチングシャー応力は2等分せず、「最大離陸重量の3.25倍を645㎠で受ける」と考えます。
この「曲げ」に対する考えと「パンチングシャー」に対する考え方を混同して、「最大離陸重量の3.25倍を任意の1点で受けることができなければならない」などと間違えた指導をしている方がいます。それは明らかな過剰設計です。注意しましょう。
「曲げ応力」は構造力学の問題、「パンチングシャー」は材料力学の問題、と言えるでしょう。「曲げ応力」にはコンクリートを支える梁のピッチ(間隔)を狭くすることで対応できますが、「パンチングシャー応力」はコンクリートの厚さや材質によって対応するものです。
またパンチングシャー応力は受ける面積の形状によって異なってきます。
ICAOのヘリポートマニュアルには具体的な形状は明記されていませんが、「645㎠=100平方インチ」であることから1辺が10インチ(25.4㎝)の正方形と考えるべきでしょう。
要約すると以下のようになります。
■「曲げ応力」は着陸想定機種の最大離陸重量の3.25 倍をスキッド幅(脚幅)の2 点で等分。
■「パンチングシャー応力」は着陸想定機種の最大離陸重量の3.25倍を25.4㎝角の正方形(1ヵ所)で受ける。