コラム
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基礎知識
空飛ぶクルマと屋上Vポート
2021.10.26
空飛ぶクルマと 屋上 Vポート「空飛ぶクルマ」要件③
【③自動操縦】ヒューマンエラーがないメリット
「ヘリコプターって事故が多いように感じます。危ない乗り物ですよね?」などと尋ねられることしばしばです。そうした質問に対しこう答えています。「ヘリコプターが故障して墜落した事故なんてほとんどないのです。自動車や電車も同じですが、きちんと整備されたモノを十分に注意しながら操縦士(運転士)が操縦していれば事故は起こりません。ヘリコプターが危険な乗り物なのではなく、注意が足りない操縦士が危険なのです。訓練が足りない操縦士、前の晩に深酒した操縦士、自信過剰な操縦士のヘリコプターが危ないのですよ」と。自動車だって事故のほとんどすべては運転ミスによるものです。ヒューマンエラーがなければ事故は起こらないのです。ですから「空飛ぶ乗り物がすべて自動操縦になったらヒューマンエラーがなくなり、事故はなくなるのではないか」と考えています。有人操縦よりも自動操縦の方が安全だ、と皆が理解する日はそう遠くないだろうと思っています。
自動操縦は垂直離着陸が可能 資格者操縦(有人飛行)は斜行離着陸
先にも書きましたが自動操縦の「空飛ぶクルマ」では垂直離着陸が可能になります。ヘリコプターのような1組の大きなメインローターで垂直降下する場合はどうしてもセットリングの危険性がありますが、多翼機であればいくぶんその危険は減るでしょう。それでも多翼機だからセットリングに入る心配はないとは言い切れません。上空から「Vポート」へ向けて垂直降下することはあまりオススメできません。せいぜい10メートル~15メートル程度の垂直飛行に留めるべきでしょう。「空飛ぶクルマ」でも操縦士が乗り込んで操縦するタイプのものが海外で開発されています。操縦士が操縦するタイプの場合、離着陸はヘリコプターと同じで斜行離着陸になるのでしょう。
(「Vポート」Vertiport の略称、その他の呼称はバーティポート、バーチポート、ヴァーティポート、ヴァーチポートなど)