コラム
ヘリポート業界の動向、知識などの情報を記事にしています。
「新・ヘリポートの造り方」
基礎知識
2024.12.18
「新・ヘリポートの造り方」コンクリートよりもアルミが良い理由 その2
【凍結融解作用でひび割れの心配も】
もう一つコンクリートには大きなデメリットがあります。コンクリートの凍結融解作用です。小さなクラックに入った水が凍結すると体積が膨張し、ひび割れが大きくなります。そして気温が上昇して一旦融解した水が再度凍るとさらに体積が増します。この凍結と融解を繰り返すことでひび割れが大きくなるのです。
降雪地に限らず、寒冷地ではコンクリートの凍結融解作用に十分に注意しなければなりません。
つらら対策を怠りなく
屋上融雪で気をつけなければならない重要なことに「つらら対策」があります。実は「つらら対策」は簡単ではありません。なかなか事前に予測できない現象なのです。
ただ、はっきり言えることは、雪が融けてできた水が、確実に雨水桝に流れる経路を確保する必要があるということです。
以前、東北地方にある病院のヘリポート設計でこんなことがありました。「着陸帯の雪を融かしたら、その融けた水の経路確保が必要です。縦樋(たてどい)の中が凍ってしまわないような措置が必要です」と伝えたのですが、「そこまでの予算の確保ができていない」などの理由で縦樋へ熱源を通すことをしなかったのです。案の定、融雪水が縦樋で凍ってしまいました。縦樋が詰まると横樋にも水が溢れます。溢れた水がポタポタと垂れ、大きなつららができてしまったのです。
その後、先方の担当者が代わって「なんで事前に検討していなかったんだ……」と言っていたのを残念に思います。