コラム
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「新・ヘリポートの造り方」
基礎知識
2024.09.05
「新・ヘリポートの造り方」計画段階からの注意点 : 屋上ヘリポートの場合 その2
前回のコラムはこちら → 「新・ヘリポートの造り方」計画段階からの注意点 : 屋上ヘリポートの場合 その1
チェック2【不時着場】
パイロットは常に「今エンジンが止まったら」を想定しながら操縦しています。「今エンジンが止まったらあそこに緊急着陸しよう」という場所を常に意識しているのです。屋上ヘリポートを離陸した直後に万一エンジンが止まっても、安全に不時着できる場所を確保しなければなりません。
この不時着場に関しては専門的になりますから航空コンサルタントに確認することをお勧めします。
チェック3【磁気】
最近のヘリコプターは通常の磁気コンパスのほかにも磁気を感知するセンシティブな機器が搭載されています。このため機体内の部品等にはボルト1本まで厳しい磁気チェックが施されます。機体の近辺に磁気を帯びたものを持ち込むことは避けなければなりません。
しかし、「〇〇病院のヘリポートに着陸すると計器が狂う」という事例が我が国でもいくつか報告されています。海外でも同様なことが起こっています。非常に危険です。
この本を書いている時点(2019 年 8 月)では原因が特定されていませんが、恐らく鉄筋の運搬工程で、磁気によって吊り上げるマグネットクレーンが使用されるなど、何らかの理由で鉄筋が磁気を帯びてしまったのではないかと考えています。
そのため、コンクリートヘリポートに使用される鉄筋が磁気を帯びていないことを確認する必要があります。また、PC床版を使用する場合にも同様の確認が必要です。