コラム
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「新・ヘリポートの造り方」
基礎知識
2024.08.09
「新・ヘリポートの造り方」 計画段階から注意すべき一般的なチェック項目 その2
ヘリポートを設置するのはどこが良いのか。多くの要因をつぶさに検討し総合的な判断で最適箇所を探し出しましょう。
チェック項目を列挙します。
(計画段階から注意すべき一般的なチェック項目 その1はこちら)
チェック②【騒音と地域住民の理解】
病院に限らず、すべてのヘリポートで最も多いのが騒音によるトラブルです。学校や民家の上空を飛行することは避けるべきです。同じ音でも「うるさい!」と感じる人と「そうでもないよ」と言う人がいます。「 騒音測定をした結果60dB(デシベル)以下だから問題ない」と簡単に片づけられるものでもありません。近隣の自治会長など地元関係者を通して普段からヘリコプターの運航に地域住民の理解を得ていく努力が必要になります。
チェック③【将来の周辺開発を見据えた障害物の有無】
ヘリコプターの離着陸は基本的に風に正対する方向で行われます。向かい風に正対して降り、向かい風で離陸することが安全な離着陸です。西から風が吹いているならヘリは東から飛んで来て着陸し、西に向かって離陸します。風向きは随時変化しますからヘリポートには最低2方向の飛行ルート(進入方向)が必要になります。
この2つの飛行ルートとも1/8勾配の進入表面に障害物がないことが条件になります。
「供用開始時には障害物がなかったのだけど、その後飛行ルートにビルが建って許可を取り消された」というケースがあります。そのようなことにならないためにも計画段階から近隣の用途地域を確認し、将来の周辺開発を見据えた飛行ルートの選定が必要になります。ただ、飛行ルートの選定には専門的な知識が必要です。航空コンサルタントに相談してください。