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基礎知識

空飛ぶクルマと屋上Vポート

2024.06.28

コンクリート床には「空飛ぶクルマ」は降りられない!?


緊急レポート!
コンクリート床で発生する磁界の罠!?
コンクリート床には「空飛ぶクルマ」は降りられない!?

ビル屋上のHマーク、Rマークは磁界の乱れた床面だらけ

 

高層ビルの屋上には必ず消防ヘリが救助活動や消火活動をするための施設があります。「緊急離着陸場」あるいは「緊急救助用スペース」です。通称「Hマーク」「Rマーク」と呼ばれています。
「Hマーク」「Rマーク」はヘリポートではありませんから通常のヘリコプターは離着陸できません。
「ドローン」や「空飛ぶクルマ」の開発が進むにつれ、将来「Hマーク」「Rマーク」を「ドローンポート(Dポート)」や「空飛ぶクルマのポート(Vポート)」としての利用を期待する声が私の元に届きます。
ある程度の床面補強をすれば強度的には問題ない施設も多いのですが、実は強度以外に大きな問題があるのです。既存の「Hマーク」「Rマーク」のほとんどすべてが床面の磁界が乱れているのです。
パイロットが操縦する有視界飛行(VFR)とは違い、自動操縦が中心となるドローンや空飛ぶクルマでは制御機能に大きな影響がでることが予想されます。(実際に既存のHマークからドローンを離陸させようとしても多くのHマークで離陸できません)
将来「Hマーク」「Rマーク」を「Dポート」や「Vポート」として活用するのであれば床面をアルミデッキで造るか非磁性コンクリートで造らねばなりません。一度、磁性を帯びた床面の磁気を消す(消磁)のは簡単ではありません。
安全のためには既存の「Hマーク」「Rマーク」への離着陸は諦め、これから作る「Hマーク」「Rマーク」を非磁性で造るしか方法はないでしょう。

 

 

当社で行っている磁界調査の様子

 

鉄筋コンクリート床の屋上ヘリポートに「磁界の乱れ」

屋上の「磁界の乱れ」に着目して調査を行ったところ、鉄筋コンクリート床で造られた多くの屋上ヘリポートで極端に磁界が乱れていることがわかりました。(下図参照)
特にコンクリート床版を敷き並べた着陸帯では乱れが大きく、真北方向から30度程度ずれることは珍しくなく、90度もずれているヘリポートもありました。
当初、MRIといった病院内の医療機器の影響を想起しましたが、その後の調査などから鉄筋が磁気を帯びたためではないかと見ています。
原因は特定できていませんが、鉄筋コンクリート床の製造工程の中で磁石を利用したマグネットリフトで運搬されていれば、瞬く間に磁気を帯びることが考えられます。

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