コラム
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基礎知識
2024.01.23
ヘリポート床面にかかる荷重
床面を例に、「引っ張り」「圧縮」「せん断」「曲げ」の応力に関して簡単に説明します。
「引っ張り力」とは文字通りその部材を引っ張る力のことです。床面では主に下部にかかります。鉄筋コンクリートでは鉄筋が引っ張りに耐える役割をします。
「圧縮力」は「引っ張り力」の逆です。床面では主に上部に圧縮力がかかります。鉄筋コンクリートではコンクリートが圧縮に耐える役割を担います。
「せん断力」とは異なる方向からの力によってその部材内にズレを生じさせる力です。床面では固定された端部付近に多くのせん断力がかかります。
「曲げ力」はその部材を曲げようとする力。床面では支える梁から最も遠い部分が一番大きな曲げ力を受けることになります。「曲げ力」は床上部では「圧縮力」に、床下部では「引っ張り力」になります。
設計者はそれらの応力に耐えることのできる力(これを「耐力」と言います)を持つ部材を選び床の厚さを決め、支える梁のスパンを振り分けていきます。十分な耐力があり、かつ過剰設計にならないように配慮します。我が国ではこれらは建築基準法の中で管理されます。過剰設計はともかく、各発生応力に対して十分な耐力を持たない設計は許されません。