コラム
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基礎知識
2019.11.07
コンクリート構造物は雨水で劣化が進む
コンクリート構造物の劣化に関する話です。これは安全に関することですからとても重要です。
まず皆さんに知っていただきたいのは「鉄筋コンクリート構造物は雨水にさらされない限り劣化は非常に遅い」、逆に言えば「雨水が浸透する環境にあると劣化が早い」ということです。
「コンクリートが雨水にさらされた状態の場合、乾燥した状態に比べて100倍のスピードで劣化が進む」という道路橋に関する研究報告があります。乾燥していれば100年持つものが雨水にさらされていると1年で疲労限界に達することがあるというものです。
ですから雨の多い我が国では、ビルの屋上は雨水が躯体コンクリートに浸み込まないように全面をくまなく防水しているのです。
コンクリートの劣化を防ぐには「防水」が最も重要
「土木構造物」と「建築構造物」の違いをお話ししました。
それらを専門に扱う技術者を「土木屋」「建築屋」と呼ぶことがあります。
防水の必要性を「建築屋」の多くは「雨漏りを防ぐため」と答え、一方「土木屋」は「コンクリートの劣化を防ぐため」と考えています。
繰り返しの離着陸を前提とするヘリポートは「土木構造物」なのです。
「土木屋」の意識で「防水」をしっかり施すことが必要なのです。